自称非凡人ぶる私がハタチを迎えてまんまとハマったのがシーシャだった。今どき大きな声では言えないが、大学に入学すると飲酒の誘惑に駆られ、新入生歓迎会やらサークルの飲み会やらで20歳になるころには飽きる。いっぱしに酒について語り始める未成年も増える。
成人になると大手を振って喫煙も可能になるため、当時の彼氏に憧れてタバコを始めた。ようこそニコチンの世界へ、ということである。メビウスのオプションを必死に吹かしていたのが懐かしく思える。
ところがどっこい、私のシーシャデビューは喜ばしいものではなかった。むしろ悲しみの必然から始まったものだった。
セブンスターをいっぱしに吸う彼氏と深夜に喧嘩をして大声で泣きながら電話をかけた先は親友の松原。彼女は電話口で言った。
「今ちょうど新宿のシーシャ屋に来たところだからおいで。話聞くよ。」
東口から徒歩5分、マスカラの落ちた私を風俗に勧誘するスカウトは1人もいなかった。あの時は気を使ってくれてありがとう。
はじめて吸ったシーシャのフレーバーが何だったかは正直なところ覚えていない。だが、ぐちゃぐちゃな気分は落ち着き、心持ちに余裕が出来た。
それからシーシャの誘惑に駆られることになった。まんまと虜になったのである。女の子らしいフルーツの甘々しいフレーバー、頭の冴えるミント系フレーバー。それらを合わせれば無限に味の変化を楽しめることに気づいた。
それから新宿にあるシーシャ屋さんを片っ端から開拓し、ついに自分専用の卓上シーシャを購入。それからは好きな時に好きな味を配合できるようになった。タバコと違ってヤニ臭さもなく、ロングヘアにまとわりつく残り香すら愛おしく感じるしまいに。
炭の種類、火加減、フレーバーの混ぜ方ひとつ違うだけで同じ味は2度と作れない。料理と似ているな。チャーハンぐらいしか作れないのだけれど。二口コンロの片側にはシーシャ炭が常に鎮座している。ガス代の半分はシーシャだろうな。
このシーシャへの魅力・感嘆を伝えたいので、都内のシーシャ屋さんを片っ端から簡単に紹介していく。
そんなこんなを受けて都内中心部~東京の端っこのシーシャ屋さんを中心に雰囲気・フレーバーの味・流れている音楽・お店特有のアピールポイントを伝えていこうと思う。激戦区で続けられているチェーン店から個人店舗まで余すことなく魅力を伝えていきたいと思った。
どうか皆さん、こんなブログですがお付き合い願いませ。